いつもは快適な睡眠ができているマットレスでも、夏暑くて眠れないということがよくあります。
理想は夏涼しくて、冬暖かなマットレス。
でも、これを両立させるのはなかなか難題です。
ここではまず、「夏暑くて眠れない」を解消するために、通気性の良い、涼しいマットレスを紹介します。
涼しいマットレスは、素材に空気を含んでいる
マットレスそのものの涼しさは、マットレスの総体積のなかに、どれだけ空気を含んでいるかで決まります。
スポンジのような中に大量の空気を含んでいると、空気でマットレスを冷やすことができます。
反対に空気がほとんど含まれない、板のような素材は空気に触れる面が少なくなります。
そのため人間の熱を吸収しても熱を逃がすことができなくなり、寝苦しく感じるようになるのです。
放熱・放湿構造のマットレスならなお涼しい!
ただ涼しいマットレスといっても空気を沢山含んでいるだけではいけません。
その空気が自由に行き来できる、放熱・放湿構造になっている必要があります。
マットレスは体熱を吸収し、中にある空気がそれを少しずつ冷やします。
その空気が入れ替わらなければ、マットレスから熱を取り除くことはできません。
この冷却のサイクルが成立しているマットレスが、夏でも涼しいマットレスというわけですね。
涼しいマットレスはエア素材のマットレスかコイルマットレス
一般的に夏場に涼しい、と感じられるマットレスは以下のような種類のものになります。
- エア素材でできたマットレス
- コイルマットレス
空気を含みながらも体圧分散ができるのがエア素材のマットレス
エア素材のマットレスは、ファイバー状の樹脂を重ねあわせて作られた素材です。
特殊な繊維を細かく編み込むことで、空気を含みながらも体圧分散に優れた構造になっています。
一般的な高反発マットレスの中でも、ウレタン素材が使われていないものが主に該当します。
コイルマットレスは空気層が多く、冷えやすい
コイルマットレスは一般的なベッドに使われているマットレスです。
腰掛けるとぎしっという音がするマットレスですね。
マットレス内部には、いくつものコイルが仕込まれています。
それ以外の部分は空気層になるため、通気性は高くなりやすいマットレスです。
ウレタンフォームのマットレスは基本的に通気性はよくない
ウレタンフォームで作られたマットレスは、空気をあまり含みません。
発泡したウレタンフォームで作っているとはいえ、空気層が外部とつながっていません。
そのため、冷えにくく通気性の悪いものが多くなっています。
特に楽天などで売られている安価なウレタンマットレスは、こうした面が大きいです。
→楽天の格安マットレスは本当に安い買い物か?高額マットレスの違い
涼しいマットレスでもカバーで冷えないこともある
こうしたマットレスでも、商品によっては涼しくないマットレスもあります。
例えば、分厚いカバーシーツなどで空気の流れを止めてしまっては意味がありません。
マットレスカバーの通気性が悪い場合、当然ですが熱がこもりやすくなります。
夏用のマットレスを選ぶ際は、カバー素材も含めたマットレス選びを行いましょう。
ボンネルコイルとポケットコイルでも冷え方は大きく違う
さらにコイルマットレスでも、ボンネルコイルマットレスとポケットコイルマットレスとで大きな違いがあります。
ポケットコイルマットレスでは、スプリングは一つ一つ袋に入れられています。
そのため空気の流れが阻害され、冷えにくくなっているのです。
分厚いマットレスでも涼しく過ごす方法はあるの?
では、すでにマットレスを買ってしまって、その後通気性に悩んでいる方は買い替えるしかないのでしょうか。
そんな時はまず、寝具量販店などで販売されている涼感寝具、敷きパッドに注目してみましょう。
ひんやり敷きパッドで夏の夜を快適に過ごす
「ひんやり寝具」というものをご存知でしょうか。
ニトリやベルメゾン、ニッセンやトップバリュなどでも、夏に差し掛かるとよくピックアップされる寝具です。
以下は2017年5月現在、主な各販売店で特集されている涼感寝具の一覧です。
販売店名 | 商品名 |
ニトリ | Nクール寝具シリーズ |
ベルメゾン | タオルケット&ガーゼセット さらり夏素材涼感敷きパッド 接触冷感敷きパッド |
ニッセン | スリープICE ミリオンICE |
ヒラカワ | ひんやりジェルマット |
京都西川 | ローズアイス ネムリノジュレ |
エアウィーヴ | クール2 |
ロマンス小杉 | アイス眠EX |
その他 | アウトラストシリーズ |
液体タイプのジェルマットは日本人にはあわない?
各社から売り出されるもので最も人気なのがジェルマットです。
「ジェル」の名のとおり、パッドの中に液体が入っていて、寝ている人の体温を少しずつ吸収していく働きがあります。
触った感触もぷにぷにしていて心地よく、ひんやりと気持ちいいと評判です。
しかし次第に温度を上げていってしまうという難点があります。
また、湿気の多い日本ではあまり効果的と言えない、という声もあがっています。
少しずつ体温に近づいていくタイプのものもあるようですが、これでは逆に冷えすぎてしまうことも。
特に汗っかきの方は蒸れの原因になってしまいますので、購入の際には十分検討してください。
通気性のいい3Dベッドマット
糸を立体的に編むことで皮膚との接触面を減らし、ひんやりとした寝心地を持続させるというパッドシーツも人気です。
- 綿100%素材で作られているもの
- 寝ている間にかいた汗を即座に吸収して放湿・放熱するもの
- 放熱性の高いひんやり寝具
- ポリエチレンを使用した冷感寝具
こうした様々なタイプの商品が販売されています。
化学繊維が苦手、アレルギーがあると言う方は、素材にもこだわって探してみるといいかもしれませんね。
寒すぎず暑過ぎない、快適な夏の夜を過ごそう
こういった涼感寝具特集は、夏が近づくにつれて各販売店でほぼ必ず行われます。
それだけ分厚いマットレスの湿気や、それに伴う不快感に悩まされる方が多いということですね。
マットレスそのものを変えられない場合には、こういった涼感寝具を試してみるのも一つの手です。
自分の睡眠環境に合ったタイプの涼感パッドを選ぶようにしてください。
通気性が良くて涼しいマットレスのデメリット
夏場に通気性が良い涼しいマットレスで寝ると、その快適さから手放せなくなってしまう人もいます。
でも、通気性が良いという利点がある反面、もちろんデメリットも有ります。
やっぱり冬場は寒い!季節に応じて適宜対応していきましょう
通気性がいいものであるほど、やっぱり冬場は寒く感じてしまいます。
夏涼しくて冬暖かいマットレスというのは、メーカーの永遠の課題です。
簡単な対策としては以下のようなことができます。
- 冬は通気性の悪いカバーを使う
- マットレスの上に毛布を敷く
しかしエア素材のマットレスを使っている人は、その効果が半減してしまうというデメリットもあります。
さらにエア素材の場合、マットレスによっては数年でヘタってしまうこともあります。
多くの素材は復元性が高いとアピールしていますが、その復元性にも限界があります。
マットレスは確実に潰され、少しずつ摩耗していくことになります。
通気性が良くて涼しいマットレスを長持ちさせるコツ
簡単にできるマットレスのメンテナンス
- 表と裏を時々入れ替える
- 敷きっぱなしにせず、陰干しする
- 洗える素材は時々水洗いする
通気性の高いマットレスは長持ちしにくいと紹介しました。
ただ、メンテナンスをしっかり行うことで、寿命をのばすことは可能です。
まずは、定期的にマットレスの上下裏表を変えてみましょう。
荷重がかかる場所を定期的に変えることで、素材がヘタるのを遅らせることが出来ます。
また通気性がいいからといって、敷きっぱなしにしないことも重要です。
コイルマットレスであれば陰干しをして、エア素材であれば水洗いをするなどして、カビなどの発生を防ぐようにしてください。
特に夏場は、大量の汗を吸っているため、見た目にはわかりませんが、想像以上に不衛生な状態になっています。
マットレスカバーやシーツの洗濯や、マットレス本体のメンテナンスを継続していれば、通気性の良いマットレスでも、長く使うことができます。