- 家に洋室しかない
- ベッドを置くスペースがない
- 一人暮らし、または新婚家庭
- 部屋数が少ない
こういった理由で、少しでも部屋を広く使うために、フローリングにマットレスを直に敷くことも多いと思います。
マットレスは本来ベッドの上で使用することを想定して作られたものです。
フローリングにマットレスを直に敷く場合はいくつかの注意点があります。
ここでは、マットレスをフローリングに直置きする時のコツをまとめます。
フローリングにマットレスを直接敷くとカビが発生します。
人間は寝ている間にコップ1杯分の汗をかくと言われています。
それでは、この汗はどこにいくのでしょう?
人間がかいた汗のほとんどは、マットレスが吸い込みます。
吸い込んだ汗は、マットレスの裏面に溜まっていきます。
ベッドの場合、マットレスの下面は空気に触れるようにできていますので、そこで蒸発するようになっています。
ところがフローリングにマットレスを直接敷くと、汗の逃げ場がなくなり、フローリングとマットレスの間の湿度が高くなります。
この湿気がカビの原因になります。
フローリングにマットレスを直接敷くときにまず考えるべきことは、この湿気対策、カビ対策になります。
カビの他にも注意するべきことは?
床に直接マットレスを敷く際、カビ以外にも注意するべきポイントがいくつかあります。
1 | 冬場は結露がさらにカビを招く |
2 | 埃の舞いやすい環境であることを忘れずに |
3 | 三つ折りマットレスなど、陰干ししやすいマットレスを選ぶ |
冬場は結露がさらにカビを招く
マットレスを直接フローリングに敷いていると、寝ている間にかいた汗の逃げ場がなくなり、それがカビの原因になるとご紹介しました。
「では大量の汗をかきにくい冬場ならいいの?」というと、実はそうではありません。
冬場はフローリングが冷たくなり、人間の寝ているマットレスは暖かくなります。
するとこの両者の間で温度差が生まれ、それがやがて結露となってじめじめと湿気を生み始めます。
この結露による湿気は、汗によって引き起こされるものよりも厄介です。
特に窓のフレームなどでも、結露によるカビで悩まされている方は多いのではないでしょうか。
夏にかく汗よりもずっと、冬場のほうが結露によるカビが発生しやすくなっています。
埃の舞いやすい環境であることを忘れずに
フローリングは基本的に埃の舞いやすい環境です。
ダニや目に見えないほど小さい虫の死骸なども混在しています。
薄いマットレスを敷いている場合、寝ている間にそれらを吸い込んでしまうことになります。
これらは喘息やアレルギー症状を引き起こします。
長く続ければ続けるほど症状は悪化することになるでしょう。
- 日頃から掃除を徹底すること
- ベッドフレームを利用すること
- どうしても直に敷く場合は分厚いマットレスを利用する
フローリングにマットレスを敷くときは、こうした対策が必要です。
三つ折りマットレスなど、陰干ししやすいマットレスを選ぶ
どんなマットレスを使用するにしても、やはり日々のメンテナンスは欠かせません。
しかし腰痛を患っている方は、重たいマットレスを引き上げるのもやっと…。
どうしてもフローリングに敷く場合は分厚いものを選ぶべき、とご紹介しました。
でも、厚くなればなるほどマットレスは重たくなりますよね。
10cmと分厚くても、ひとりで持ち上げられるモットンくらいの重さであれば理想的です。
それでも辛い場合には三つ折りのできるマットレスを選びましょう。
また三つ折り式マットレスは立たせやすく、陰干しもしやすいです。
忙しい方でもフローリングにマットレスを置きっぱなし…ということは少なくなります。
効果的なマットレスのカビ対策
マットレスをフローリング直置きした時に、簡単にできるカビ対策は次のとおりです。
フローリング直置きのマットレスカビ対策
- すのこや除湿シートなどを敷く
- 天日干しや陰干しをする
- 使用するマットレスの面を変える
すのこや除湿シートなどを敷く
マットレスをフローリングに直接敷く場合は、以下のような対策ができます。
- フローリングとマットレスの間にすのこを敷く
- 除湿シートや吸湿マットを敷く
- ゴザや畳を敷く
湿気を逃がしやすくする効果があると言われています。
天日干しや陰干しをする
また、1週間に1度くらいはマットレスのメンテナンスをするように心がけましょう。
できれば天日干しが一番ですが、重くて難しい場合は、部屋の壁に立てかけるだけでもかまいません。
ウレタンフォームマットレスなどは予め陰干しするよう記載されていることもありますので、よく確認してから干してください。
陰干しする場合、扇風機などで風を送ってあげることができればベストです。
両面使えるタイプのマットレスの場合は、元に戻すタイミングで裏表を変えてください。
使用するマットレスの面を変える
裏表と上下をローテーションして使えば、湿気が1ヶ所に集中することを避けることができます。
また、マットレスに直接寝ることなく、シーツなどを利用するようにしてください。
シーツも、1週間に1度は取り替えて洗濯するようにしましょう。
これだけでマットレスのカビは激減します。
メンテナンスを怠ると、呼吸器系の病気に繋がることも
ちょっとの手間がマットレスを長持ちさせます。
面倒だと感じても、フローリングにマットレスを直接敷いている人はカビ対策をしっかり行ってください。
不潔なマットレスはカビだけでなく、ダニの温床にもなります。
先ほども上げたとおり、そもそもフローリング自体が埃の舞いやすいところです。
アレルギー疾患を持っている方、喘息を患っている方は特に注意してください。
高性能なマットレスでもメンテナンスを怠ると、あっという間にダメになってしまいます。
こまめなメンテナンスを心がけましょう。
もしもマットレスやフローリングにカビが生えたら!?適切な対処法
それでは、もしもマットレスやフローリングにカビが生えてきたらどうすればいいのでしょうか?
マットレスの黒カビにはエタノール。徹底的に殺菌しましょう
まずはマットレスに生えた黒カビを殺菌していきます。
- 薬局やドラッグストアでエタノール、またはオキシドールを購入する
- 霧吹きに入れて、カビの生えている箇所にスプレーする
- 1時間ほど放置する
- ぬるま湯につけたタオルで拭き取る
- ドライヤーで乾燥させ、陰干しすればOK
ポイントは、エタノールを滴るくらいに吹きかけること。
また拭き取りは丁寧に行い、風通しのいい場所で陰干しすることです。
フローリングにカビ…まずは拭き取るところから
では、フローリングにカビが生えている場合はどうすればいいのでしょうか?
- すぐに雑巾やワイパーなどで拭き取る
- 取れない場合はエタノールを吹きかける(色落ちする場合は逆性石鹸で)
- 雑巾でしっかりと拭き取る
最初に掃除機で吸ってしまうと、カビの胞子が舞い上がってしまうことになります。
またエタノールを使ってもカビが取れない場合は、業者にお願いするほうが良いでしょう。
フローリングにマットレス直置きなら、厚みがあって通気性が良いのが条件
フローリング直置きに適したマットレスの条件は、以下の2つです。
- 厚みが10センチ以上あること
- 通気性が良いこと
腰痛持ちの方の場合は、15センチ以上あるほうがより効果が際立ちます。
せんべい布団に寝ると寝返りが打ちやすいという評判が立っています。
しかしこれは、背中で自分の体重を受けてしまうため、腰痛悪化の原因になります。
安い高反発マットレスはすぐダメになる。厚くて通気性のいいものを選ぶべき
フローリング直置きの場合、普段腰が痛くない人でもマットレスの厚みの確保は必須です。
ただし、厚みのあるマットレスは汗を吸って床に貯めやすいので、通気性が良いことも条件です。
安い高反発マットレスは、通気性も悪くすぐにへたりやすいので、すぐに買いなおすことになってしまいます。
このサイトで何度か紹介しているモットンなどは、厚みが10cmあります。
また通常のウレタンマットレスに比べ気泡を大きくしているので、通気性がよくなっています。
雲のやすらぎの厚みはなんと16cm!
モットンはベッドにもおけるマットレスですが、マットレスと同じくらいの厚みのある敷布団もあります。
こちらは、雲のやすらぎという布団です。
厚みは16cmと一般的な市販マットレスの2倍近くあります。
表面に羊毛を使用しているため、保温性が高く、冬場寒くなりがちなフローリングでも快適に過ごせます。
モットン、雲のやすらぎともに、知人を集めてプチ体験会のようなものを催してみました。
口コミを見てからじっくり購入を検討したいという方は、こちらを参照してください。
(参考ページ)
低反発マットレスや薄い高反発マットレスは、腰痛悪化も
マットレスの種類によっては、フローリングに直置きすることによって、腰痛悪化に繋がる可能性があるものもあります。
以下の2種類のマットレスは、フローリングに敷くべきではありません。
- 低反発マットレス
- 厚みの少ない高反発マットレス
スプリング内蔵のマットレスや、高反発マットレスの中でもし厚みのあるものなら、フローリングでもそれほど寝心地は変わりません。
人によっては安定するため、フローリングにマットレスを直接敷いたほうが、眠りがよくなることもあります。
しかし、上記2種類をフローリングに直に敷くときは注意が必要です。
- ベッドフレームによる沈み込みがなくなる
- 現在ベッドを使っている人は要注意
- エアー素材の高反発マットレスは寒さ対策が必要
ベッドフレームによる沈み込みがなくなり、フローリングの硬さを感じることに
ベッドのときはベッドのたわみなども合わせて沈み込みます。
しかしフローリングにマットレスを敷くと、接触面は1㎜も沈み込みません。
低反発マットレスの場合は、包み込まれる感覚が気持ちいいはずよね。
しかし直に敷くことで、フローリングの硬さを背中に感じることになります。
これは、薄い高反発マットレスも同様です。
現在ベッドを持っている人は要注意
このように、固いフローリングに敷くことで、マットレス本来の機能を十分に発揮できなくなることがあります。
もし現在ベッドを持っていのであれば、まずはフローリングにマットレスを直に敷いてみてください。
実際に寝てみて、寝心地が悪くならないことを確認してからベッドを手放しましょう。
これから新生活を始めようという人は、マットレスの感覚が店舗で試したものよりも硬く感じることがあります。
可能であれば、床にある状態で試してみてください。
お店で試したよりも寝心地が悪いようであれば、カビ対策も兼ねてすのこを敷くようにしましょう。
エアー素材の高反発マットレスは寒さ対策が必要
エアウィーヴのようなエアー素材を使ったマットレスで注意したいのが、冬場の寒さ対策です。
エアー素材の高反発マットレスは通気性の良さが特徴です。
しかし寒い冬の場合、この通気性の良さが仇となって、「マットレスが冷たい」状態になってしまいます。
冷たさは安眠の敵。
エアー素材の高反発マットレスを使用する場合は、マットレスの上に毛布を敷くなどの工夫をするようにしましょう。
多少寝心地は落ちる可能性はありますが、寒いよりはよっぽどいい眠りにつくことができます。
まとめ:防カビ加工のされた高反発マットレスがフローリングと相性が良い
マットレスをフローリング直置きする時は、カビ対策と寒さ対策が重要です。
健康体の人でも、厚みのあるマットレスを使わないことで、腰痛や肩こりになることもあります。
高反発マットレスでもモットンのような発泡ウレタンを使用していれば、それほど寒さを感じることはあまりありません。
また防カビ加工もされているので、メンテナンスを行えばカビを防ぐこともできます。
同じ高反発マットレスでも素材の違いによって、体感温度がまったく違います。
冷え性を自覚している方は、できれば発泡ウレタンの高反発マットレスを選ぶといいでしょう。