安価に購入することが出来るボンネルコイルマットレス。
マットレスなんてなんでも同じと思って値段の安いボンネルコイルマットレスを購入すると、使用してみて後悔することもあります。
特に腰痛で悩んでいる人が、ボンネルコイルマットレスを購入する際は注意が必要です。
ここではボンネルコイルマットレスのメリットとデメリット、そして腰痛との関係について紹介します。
ボンネルコイルマットレスはどんなマットレス?
最近は低反発マットレスや、高反発マットレスなど、様々な種類のマットレスが売りだされています。
ですが少し前まではマットレスといえば、中にスプリングが仕込まれたものが主流でした。
その中でも大きく分けて2種類のマットレスがあります。
- ポケットコイルマットレス:コイルが単独で動く
- ボンネルコイルマットレス:2枚の板にコイルが挟まれている
細かく分けると更に違いはありますが、ボンネルコイルマットレスはマットレス全体がひとつのコイルになっていると考えると分かりやすいかと思います。
ポケットコイルマットレスはそこで眠る人の体を点で支えるのに対して、ボンネルコイルマットレスは面で受けることになります。
両者は実際に寝て比べてみるとはっきりと違いが分かります。
どちらがいいかは好みの問題もありますが、一般的にはポケットコイルマットレスのほうが眠りやすいマットレスとされています。
ボンネルコイルマットレスのメリット
それではボンネルコイルマットレスのメリットはどこにあるのでしょうか?
ただ安いだけなのか、それとも他にもメリットがあるのかチェックしてみましょう。
ボンネルコイルマットレス3つのメリット
- 価格が安い
- 耐久性が高い
- 通気性が良い
価格が安い
ポケットコイルマットレスと比較した場合、平均的にボンネルコイルマットレスのほうが1〜2万円安くなります。
ポケットコイルマットレスの一般的な価格は3万円~5万円が相場です。
一方ボンネルコイルマットレスの価格帯が1万〜2万円ですので、倍近い値段差ということになります。
この価格差はちょっと魅力的です。
差額でベッドフレームを購入したり、枕やシーツ、欠け布団など寝具周りを整えたいという方には手の付けやすいマットレスです。
耐久性が高い
ボンネルコイルマットレスはすべてのスプリングが連結され、ひとつの大きなスプリングのような構成になっているため、スプリングそのもののヘタリが少なくなります。
このためマットレスの寿命が長くなり、他に比べてもかなりコストパフォーマンスの高いマットレスだと言えるのです。
通気性が良い
ボンネルコイルマットレスの特徴として、通気性の良さも大きなメリットになります。
マットレスの内部はほとんど空洞ですので、空気の通りが良くなるためカビなどの発生を抑えることが出来ます。
暑い夏もボンネルコイルマットレスなら涼しく眠ることができます。
ボンネルコイルマットレスのデメリット
いいことだらけのように思えるボンネルコイルマットレスですが、もちろんデメリットもあります。
主なデメリットとしては以下のような点があります。
ボンネルコイルマットレスのデメリット
- 体とマットレスの間に隙間ができる
- 硬すぎると血行を悪くする恐れも
- 寝返りするとマットレスが揺れる
体とマットレスの間に隙間ができる
ボンネルコイルマットレスの大きなデメリットのひとつに、体とマットレスの間に隙間ができることが挙げられます。
人間の寝姿勢は、まっすぐ立ったままの状態と同じであるのが望ましいと言われています。
これは背骨がまっすぐな状態ではなく、美しいS字を描いている状態のことを指します。
ポケットコイルマットレスは「点」で体を支える構造になっているので、体の寝姿勢に沿って接触面を変えてくれます。
しかしボンネルコイルマットレスは「面」で体を支えるため、背中の下などに隙間が発生します。
すると背骨がまっすぐの状態のまま寝ていることになり、体重のかかる腰などに大きな負荷をかけることになるのです。
これにより背骨周りの筋肉や腰周辺が緊張し続け、かえって腰痛を悪化させてしまうことになります。
硬すぎると血行を悪くする恐れも
また、あまりにも硬いボンネルコイルマットレスで寝ていると、体の接触面が圧迫され、血行を悪くするおそれがあります。
手足のしびれや、攣ったような痛みで目が覚めるようなことがあれば要注意です。
痛みでぐっすり眠れず、翌朝に疲労を残してしまう原因にも繋がっては本末転倒ですよね。
寝返りをするとマットレスが揺れる
ポケットコイルマットレスはスプリングがそれぞれ独立していますので、寝返りをした場所だけが動きます。
しかしボンネルコイルマットレスは全体が一枚の板のようになっていますので、寝返りをするとマットレス全体が動いて揺れてしまいます。
1人で寝る場合はまだいいのですが、夫婦で寝る場合はお互いの寝返りが気になるため、ゆっくり眠れないこともあります。
ボンネルコイルマットレスで腰痛は改善できるのか?
ボンネルコイルマットレスは腰痛改善に効果があると言われることもあるのですが、実際のところは判断が難しいところでもあります。
ボンネルコイルマットレスは硬い面で体を支えるため、寝返りがしやすいため、人によっては最適なマットレスになるのですが、硬すぎて余計に腰痛を悪化させることもあります。
せんべい布団で寝ると腰痛が楽になるという人がいるのと同じです。
すべての腰痛で悩んでいる人に効果的というわけではありませんが、人によってはボンネルコイルマットレスが腰痛改善に効果があることもあるのです。
実際にボンネルコイルマットレスを使って腰痛が改善した人のレポートなどを読むと、「そうかボンネルコイルマットレスは腰痛に効果があるのか」と思いがちですが、腰痛はひとそれぞれ原因も違えば、症状も違います。
安易に、自分にも合うのではないかと購入をするのではなく、必ず一度試してみるようにしましょう。
理想は1ヶ月程度ボンネルコイルマットレスで眠ることですが、なかなかそうもいかないでしょうから、少なくとも実店舗で寝心地を体感するようにしてください。
実際に使用するときは、最初は体になじまない可能性もありますので、1週間程度は調整期間だと思って、そのまま利用してください。
それでも腰痛が改善されそうもない場合は、あなたの腰痛とは相性が良くないということになります。
せっかく購入したマットレスを捨てるのがもったいないという人は、腰とマットレスの間にタオルを折りたたんで挟みこむことで、ちょうどいい硬さで腰を支えることができますので、まずはその方法で腰痛が改善するか試してみてください。
ただし、いつまでも使い続けるのではなく、どこかのタイミングかで別のマットレスに交換することをおすすめします。