ポケットコイルマットレスの腰痛改善効果についてまとめます。
ポケットコイルマットレスは、アメリカのベッドメーカー「シモンズ」が1925年に商業化に成功したマットレスです。
シモンズは様々なベッドメーカーと提携して、このポケットコイルマットレスを世界中の人々に届けています。
そんなポケットコイルマットレスが世界中に広まったのは、もちろん寝心地の良さによるもの。
また、腰痛対策にも効果があるとも言われています。
では、ポケットコイルマットレスは本当に腰痛に効果があるのでしょうか?
ここではポケットコイルと腰痛対策の関係をまとめました。
また、ポケットコイルマットレスのメリットとデメリットについて紹介します。
ポケットコイルマットレスが腰痛対策に効果があるとされる理由
腰痛の人が寝ているときに腰が痛くなるのは、腰に何らかの負荷がかかっているからです。
基本的には反りすぎているか、丸くなりすぎているかのどちらかです。
腰回りの筋肉が圧縮しているか、伸縮しているかのどちらかの状態が続いています。
その結果筋肉が緊張してしまい、痛みを感じることになります。
腰痛の人が快適に寝るためには、できるだけ立ち姿に近い姿勢で寝ることが必要になります。
そのためには腰は寝ているときにある程度支えられている必要があります。
その点、ポケットコイルマットレスなら、自然に体に沿うように作られています。
腰をしっかりサポートし体圧分散ができるため、ポケットコイルマットレスは腰痛に効果があると言われています。
ポケットコイルマットレスの構造
ここからは、ポケットコイルマットレスの構造について簡単にご説明していきます。
一般的なマットレスでは背中とマットレスの間に空洞ができてしまう
一般的なマットレスは、2枚の大きな金網をいくつものスプリングで連結しています。
2枚の金網は多少のたわみはあるものの、ほぼ平面の形状を保ちます。
すると人が寝たとき、金網に当たる背中と、お尻の部分がグッと押し下げられます。
この時に背中も一緒に下がり、背中とマットレスの間に空間が空いてしまいます。
そうなると、体の一部分に負担がかかってしまい、寝ている間筋肉の緊張状態が続きます。
これにより腰痛や痺れなどが生じてしまい、安眠の妨げになってしまっているんですね。
ポケットコイルマットレスはスプリングがバラバラに動くしくみ
対してポケットコイルマットレスは、たくさんのスプリングを布製のポケットに個別に収納する構造になっています。
ひとつのスプリングが体重によって圧縮されても、隣のスプリングが連動して下がることはありません。
人間の体の形状に無理なく沿うよう、スプリングがバラバラに稼働します。
これにより、体圧を効率よく分散できます。
背中とおしりの部分は大きく下がりますが、腰の部分にはぴったりとマットレスが沿う形になるのです。
ポケットコイルマットレスの4つのメリット
ポケットコイルマットレスを使うメリットをあげると以下の4つになります。
ポケットコイルマットレス4つのメリット
- 包まれるような寝心地
- 体圧分散ができ腰痛に効果がある
- 夫婦で寝るときにお互いの動きが気にならない
- 日常メンテナンスで10年間使用できる
包まれるような寝心地
最大の利点は、安眠を得られることにあります。
独立したスプリングがそれぞれに稼働するので、その人の体重に合わせてマットレス表面の形状が変わります。
またコイルを布で包んでいるので、コイルの形状を直接感じることもありません。
これにより、体全体が包み込まれるような感覚で眠りにつくことが出来ます。
体圧分散ができ腰痛に効果がある
またコイルが独立していることで、効率のいい体圧分散が可能となっています。
その人の体重に合わせてバラバラに稼働するので、頭や腰に体重や負荷が集中しません。
なので、体が曲がったり、反ったままの姿勢で眠り込んでしまうことがないのです。
柔らかい寝心地にもかかわらず、腰痛に怯えることなく安心して眠ることができます。
夫婦で寝る時にお互いの動きが気にならない
ボンネルコイルマットレスの場合、少し体を動かすとガタガタという振動があります。
また寝返りは打ちやすいものの、その反動で目が覚めてしまうことがあります。
ポケットコイルマットレスは上記の通り、体重のかかっている場所だけが凹む構造になっています。
これにより、寝返りを打ってもマットレス全体が横揺れすることがありません。
「夫婦がダブルベッドで寝る際、パートナーの寝返りが気になって起きてしまう…」
こういったことを防ぐにはオススメのマットレスですね。
日ごろのメンテナンスで10年間使用できる
ポケットコイルマットレスは10年間も使用し続けることができます。
一般的に、布団は3〜5年が寿命とされています。
使い込んでせんべい布団になると、床をじかに感じるようになり、かえって腰痛を悪化させる原因となります。
ポケットコイルマットレスは日頃からしっかりとメンテナンスを行うことで、倍以上の10年もの使用に耐えられる構造になっています。
- コイル配列
- 詰め物の有無
- ポケットのへたり具合
ただし、上記の具合によるものが大きく、耐用年数について一概に言うことは難しくなっています。
ポケットコイルマットレスのデメリット
寝心地がよく、体圧分散され、夫婦一緒に寝るにも適しているポケットコイルマットレス。
メリットばかりのようにも思えますが、いくつか欠点もあります。
ポケットコイルマットレス3つのデメリット
- 価格が高い
- 通気性がそれほど良くない
- ローテーションなどのメンテナンスが必要
価格が高い
ポケットコイルマットレスの最大のデメリットは、その価格帯にあります。
安価な無印良品のポケットコイルマットレスでも5万円近い値段設定。
低価格が売りのニトリでも4万円からのお値段となっています。
さらに安価のポケットコイルマットレスは、スプリングの数が少なくなります。
これにより高級なものに比べて、寝心地のよさが軽減され、耐久性も低くなってしまうのです。
しかし質の高い商品を購入しようと思うと、一気に10万円台の価格帯になります。
人気かつ高性能マットレスのモットンが39,800円なので、この価格差は大きいですね。
こうなると腰痛のためとはいえ、おいそれと簡単に買えるものではなくなってきます。
もちろん10年間毎日使うのであれば、1年に1万円ちょっとという計算になります。
1日の1/3を過ごす場所だと思えば決して高くはない買い物です。
ただやはり購入するとなると、寝具としてはどうしても手の出しにくいラインになってきます。
通気性がそれほど良くない
そして通気性に優れていないことも、気になるデメリットのひとつです。
これはコイルスプリングが個別に布に包まれており、マットレス内部の空気の移動が極端に阻まれているためです。
冬場は暖かく眠ることができますが、反面、夏場は蒸し暑く感じることもあります。
また汗や湿気、結露などによるカビの発生にも注意する必要があるでしょう。
メーカーによっては、通気口が設けられたポケットコイルマットレスも販売されています。
ローテーションなどのメンテナンスが必要
上記のカビ対策も含めて、定期的に上下を反転させるなどのローテーションをすることが重要です。
ポケットコイルマットレスはその構造上、特定部分のコイルだけが極端に疲弊してしまいます。
そのため使用面を反転させるなどの対策で、コイルの消耗を防ぐ必要があるのです。
こうしたメンテナンスを怠ってしまうと、10年どころか5年前後でへたり始めてしまいます。
またポケットコイルマットレスは重量のある分厚いマットレスです。
メンテナンスのためマットレスを持ち上げる時には、腰を傷めてしまうことのないよう注意するべきでしょう。
まとめ:お金に余裕がありマメに手入れできる人は買い
腰痛に効果があり、安眠も得られるポケットコイルマットレス。
ですが他の種類のマットレスに比べ、値段が高いというデメリットがあります。
長持ちさせるためには、通気性がよいものを選び、日常的なお手入れが必要になります。
また元々通気性があまりよくないので、通気性が良いものを選ぶとなると高級品になる可能性は高いです。
腰痛改善と寝心地の良さには、お金を惜しまないという考えの人に向いているマットレスかもしれませんね。